◆中国の古典から考える会社経営「現場社員の経営者化」筆者:武田和也
患いを同じくし利を同じくし以って諸侯を合す(『司馬法』より)
個々の現場社員まで経営者マインドを持てば利益は増えます。
しばしば現実には難しいと言われますが、その最大の理由は現場社員を
上手に誘導できていない点にあります。
表題の文言は「全体と個人との利害を一致させることによって、すべての
構成員をひとつの方向へと動かすことができる」という意味です。
会社の成長や発展・経常利益などの増加が個々の社員のメリットにも
なるよう、制度・システムその他を組み立てることです。
ある東北の食品・雑貨小売準大手企業様での事例です。
後述する改善活動を始める直前の全8店舗だった当時の自社の経常利益は、
年間で3000万円弱でした。
ところが体制改革を開始した初めの年には、同じ8店舗でも経常利益は
年間6000万円へと倍増し、それ以降は幾つかの出店店舗分も含めて
経常利益が毎年増加し、最高で経常利益が年間約2億円まで成長しました。
成長の原動力は、現場社員の「経営者化」でした。
パート・アルバイト等の一人一人まで「経営者マインド」を持つ仕掛けを
導入しました。
まず会社全員の共通目標を経常利益の増加に定め、部門別・店舗別・
アイテム別等の実務ベースで細分化した単位で把握できるようにしました。
次に購入時間・欠品時刻・坪当り粗利・在庫回転・客単価・客数等、
ふつうの現場社員が具体的にイメージできる用語で、コントロールできる
指標を、瞬時にかつ正確に取り出す仕組みにし、自分で重点管理できるよう
整備しました。
毎月の結果は部門比較・店舗比較等の加工をした上で全社公開し、報奨金や
賞与・昇格等に反映させたり、心理的負担を与えたりしました。
個々人の利益になり、しかもゲームの要素も入っていたため社員の評判も
良く、上記のような経常利益の急増を成し遂げました。
利害を一致させれば、地方でも不況業種でも、全体で成長する原動力に
変えることができるのです。
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