◆中国の古典から考える会社経営「迂直の計」筆者:武田和也
人に後れて発つも 人に先んじて至るは 迂直の計を知るなり
(『孫子』より)
悪戦苦闘する企業が増える一方、まだまだ成長を続けている企業も
多く実在します。
表題の文言は「敵軍に対して後手にまわっているように見せながらも、
実は敵の先手を奪う作戦を実行できる者は、「迂直の計」を知っている
指揮官である」という意味です。
兵法では、要衝などの主戦場に(物理的・時間的に)敵軍より先に到着
できない場合など、他の自軍に有利な場所へと敵軍を誘導し、却って
自軍が戦場に先回りするという計謀です。
お付き合い先の関東の食品小売企業様は、平均30坪ほどの専門店ですが、
店舗当り年商が約6億円で、営業利益率は平均5%強です。
創業15年目で、地域の同業では後発の部類に入ります。
創業当時の主婦を中心とする消費者は、今ほど食品に対して神経質・
過敏ではなかったこともあり、工程管理や産地などの品質面よりも、
「安さ感」「値打ち感」の訴求がメインでした。
当時この企業様も、強い競合企業と「同じ土俵」で勝負されていたそうです。
働けど働けども儲からず、自分たちが何のために仕事をしているのか、
時に見失うこともあったそうです。
私どもがお伺いするようになって、様々な角度からヒアリングを重ねた
ところ、定番はもちろんレア商材・こだわり商材など、全国に仕入ルートを
お持ちの点が大きな強みでした。
看板を偽らず、高級食材・産地指定などを見せ玉にしながら、価格帯別で
売れ筋・売り筋の商品を展開し、自店3km圏内に徹底的に仕掛けました。
反響が良い地域を重点的に攻略し、強みに合った顧客の囲い込みに成功
しました。
安全・安心などの品質重視の波に乗り、作戦開始4年目でシェア地域一番の
座を奪取しました。
競合各社は過去の成功体験から抜け切れず、今もシェア減衰と赤字体質に
喘いでいます。
時流(顧客・業界動向)を見越して、先に主戦場を確保することで有利な
戦いが可能です。
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