◆中国の古典から考える会社経営「統合の手順」筆者:武田和也
五年 刑を以って政す 則ち民は辜せず(『黄帝四経』より)
市場飽和による寡占化で、中堅企業でもMAが急増しました。
特に持株会社新設による統合が目を引きます。
統合後、複数社が一体化する難しさを伺わせます。
現場レベルでの業務プロセスの統合・一体化がネックになっている
ケースを多々見かけます。
表題の文言は「征服後5年目を待って初めて刑罰に基づいた政治を
行うことで、民衆は罪を犯すことがなくなる」という意味です。
黄帝という中華の始祖である人物が、四方の民族を平定して地域
拡大を図った際に、叛乱等を誘発させることなく併合を安定化させる
ために採用した方策が述べられています。
初めは彼らの慣習を変えず従来通りにし、次に民衆に利益を与え、
服従する者を択んで恩恵を施し、その後に逆らう者に権力等を行使し、
第五段階から、上記のように占領地に本国と同様の刑罰・徴税を課すと
説きます。
ある関西の準大手クラスの企業同士でのM&Aでは、初めは持株会社で
ワンクッションを置いて、3年ほど掛けて完全統合を果たしました。
この3社は同業種同業態だったため、業界標準が確立しやすかった点が
奏功しました。
まず初年度は、人事異動や統合作業等を一切行わず、ミーティングを
多く開いて現場ノウハウの共有化をしながら、感情的対立の芽も
摘みました。
翌年度から新業務プロセスを開始し、3社の決算期も一本化しました。
3年目に(年商ではなく)利益率が最も良かった会社の業務プロセスを
基準に、他の2社のノウハウを吸収して新方式を確立しました。
他社事例から、現場ではなく経理やシステム担当が抵抗勢力となるので、
その2社の経理とシステム部門全員を異動させました。
完全統合後は増収増益(年商115%/経常利益110%)で、企業体として
強化されました。
年商・利益の「足算」ではなく、全てを一体化する統合こそが企業体を
強くするのです。
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