◆中国の古典から考える会社経営「システム化」筆者:武田和也
知ることの艱きに非ず 行うことこれ艱し(『書経』より)
業務上のKPI(重要業績達成指標)を抽出し、日々の利益・キャッシュを
正確に把握することは、面倒ですが必要な取組みです。この成否が今後の
企業の生存に関わります。
表題の文言は「何が正しく成果が上がるのかを、学んで知ることは
必ずしも難しいことではないのだが、それを実行に移すことは難しい」と
いう意味です。
我々も、提案事項を現場の実務に落とし込む際、関係者の反発や予想外の
障害などに遭って、時には往生することもあります。
ですが、KPIをシステム化することは、企業の成長に不可欠です。
システム化の支援でお伺いしていた東海地方の中堅不動産企業様は、
建築確認の厳格化やサブプライム問題などが喧しい今の時勢でも、
ずっと好調をキープしています。
3年前は年商10億円程度でしたが、今期末(7月)時点の予測で年商33億円が
見込まれています。
それまでの会社の牽引車は経営者一族(全員が役員)だけでしたが、管理職
にも経営実績の一部データを開示して、経営に参画させました。
もともとが同族経営であったため、接待交際費や旅費交通費その他の
諸経費の使途が割合いい加減でしたが、開示を通じて「公」の色彩を
徐々に帯びるようになりました。
当初は、言葉にこそ出ないものの疑問符がついた管理職が多数派でした。
しかし数字で内容を示しているため、間もなく利益責任の重さが勝るように
なり、同時にオーナー一族の経費的な「甘え」が薄れたことに比例して、
利益やキャッシュフローにシビアな文化が育ってきました。
その結果が上記の年商33億円です。
オーナー一族は、役員報酬等として相応の額を手にし、かつ財務内容が
透明化したことで借入条件が好転したため、驚いたことに却って彼らの
可処分所得は増えました。
システム化や「見える化」などの一見面倒な取組みが、結局は利益を
もたらすのです。
武田和也の「中国の古典から考える会社経営」【システム化】
貧知ることの艱きに非ず 行うことこれ艱し(『書経』より)
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